« 2010年中日版『牡丹亭』上海公演詳細(修正) | トップページ | 情熱大陸 菊五郎さん »

2010年4月 1日 (木)

チケットの値段でもめています

4月2日追記

先日発表になった、6月の上海での中日版『牡丹亭』『楊貴妃』及び能・狂言・京劇の公演に関して、中国のファンと夢花の靳飛氏との間でもめています。
中国にしては珍しく、お互いに自分のブログで自分の意見を表明しているだけなので、表面上はわかりにくいのですが、それぞれのブログを読むと、けっこう亀裂が走っています。

皆さん、考えても見てください。チケットの値段が『牡丹亭』とお能の公演の一番高い席が前回の公演と同じ1280元(日本円で約18000円)、一番安いので280元(日本円約4000円)と歌舞伎の本公演とほぼ同じ値段。それでいて上演時間は歌舞伎の公演よりも短く、玉三郎さんの昆曲のレベルはあくまでもあのレベルです。しかも中日版歌舞伎舞踊『楊貴妃』のある公演は更に高くて、一番高い席が2010元(日本円約3万円)、一番安い値段で580元(日本円約8000円)なのです。

日本と物価が違う中国の普通の会社員が、普通の感覚で出せる金額ではありません。それが、1280元の席が200元で買える可能性が高いとなれば、あなたはどうしますか?彼女たちの多くは前回は正規の値段でチケットを買っていますが、前回のダフ屋の状況を見れば、日本人でも考えます。

ちなみに580元は4月末に上海で行われる青春版牡丹亭の一番高いチケットの値段に相当します。中日版とは玉三郎さんが沈豊英に変わるだけで、後は舞台装置が変わったりする程度で、出演者は演奏者は大きな変更はないはずです。

 

それで前回の公演のようにダフ屋が横行するよりは、値段を下げて観客に正規の値段で買ってもらった方が、お互いに得ではないか、それができないならダフ屋で買った方がましだという意見が、(前回の公演で日本のファンからも出ていたのに)、中国のファンから出るのはもっともなことだと私は思うのですが、夢花の靳飛氏はそうは思わないらしく、自身のブログで参加人数の出演費や旅費だけでも大変な金額だから計算してみろ、とか、他にチケットが同じように高い公演もいくつもあるとか、スポンサーが何社もついているから、とか日本のボランティアが参加しているとか、理由にもならない理屈をこねまわしています。これが公演の主催者が観客に対して発する言葉でしょうか?

http://jiagongzi2.home.news.cn/blog/a/0101000001760A95B7F7DF57.html

http://jiagongzi2.home.news.cn/blog/a/0101000001760A9515EADF57.html

(中国語です)

現在バブルのまっただ中にある中国では、これぐらい値がはるチケットもありますが、そうした公演は大概、日本で言う会員制クラブの会員専用貸し切り公演 で、豪華なディナーショーだったり、由緒ある古い建物を貸し切って行う公演だったりします。蘭心のような普通の公演で使われる規模の劇場で行う公演とは訳が違います。

私の中国語のブログでも書いたのですが、玉三郎さんが出演費をもらわないのはともかくとして、靳飛氏が給料をもらわないのは、彼が大半の費用を日本国民の税金で運営している、国立大学法人の東京大学の教授として、東大から給料をもらっているからではないのでしょうか。それを玉三郎さんが出演費をもらわないことと一緒にされては困ります。

そもそも国立大学の教授が海外で文化交流のために行う公演を側面からサポートするのではなく、有料(チケットを売る)の公演を主催するイベント会社の経営者であることを、国立大学法人が許可していることを、私はずっと不思議に思っているのですが、東大の教授というのは、そんなに時間があるものなのでしょうか? 

費用がかかるのはわかります。しかし中日版牡丹亭を中国で公演するのは、日本と中国との文化交流が第一の目的であるはずです。かりに日本側の出演者全員を花園飯店(ニューオオタニ)に泊めるのであれば、お金がかかるのは当然です。

採算をとらなければならないのはわかります。しかし本当に公演を見たい中国人が正規のチケットを買って損をするようなチケットの売り方は止めてほしいと願います。

この騒動はどうやら当初は靳飛氏のブログに、ブロガーの中でも有名な中国の歌舞伎ファンがコメントしたことがきっかけだったらしいのですが、靳飛氏がその コメントを削除したらしいので、私が見た時にはすでに関連するコメントはありませんでした。靳飛氏のブログには、普段から玉三郎さんの悪口を数日毎に書き 続けている、同一IPの匿名人物がいるのですが、靳飛氏はその匿名コメントには一切手を触れず、相手もしないかわりに削除もしないという方針を取ってきて いただけに、このダフ屋チケットを買うというコメントが出た途端に削除したという反応は、かなり異常な反応です。(私は個人的には玉三郎さんに対する悪口 は削除して欲しかったので、以前それを不適切なコメントとして通報したりもしたのですが…) 

靳飛氏は今日はまたまたダフ屋に回るチケットの出所について、懇切丁寧に説明しています。それがいったいどうだというのでしょうか? 確かに前回の上海公演では、ダフ屋が横行するのが通常の中国の伝統劇の公演の割には、中日版牡丹亭はダフ屋に回ったチケットが少なかったように思いました。しかし北京公演ではブロガーのほとんどが会社からもらったチケットで見に行ったという人でした(北京公演では興味を持つ人が少なかったのと、四川大地震の後ということもあり、ダフ屋すら出なかったのか…)

そもそもこうした対応は中国のファンの、玉三郎さんに対する真摯な思い、中日版牡丹亭公演の成功を願う気持ちを無視しているように思えて、大変残念でなりません。特にコメントをした人はこれまで全く無償で歌舞伎の情報や芝居の内容等を極めて正確に中国語に訳したりして、中国のファンに正しい情報を発信してきた、中国の歌舞伎ファン、日本伝統ファンの間では有名なブロガーです。ですから余計にみんな靳飛氏の考えがわからず、頭を抱えています。

日本のファンの方々には、中国にも熱心な歌舞伎ファン、玉三郎ファン、日本の伝統芸能ファンがいること、そして玉三郎さんの公演そのものの機会が非常に少ない中で、チケットが異常に高いとコメントしただけで、主催者ともめることがどれだけの苦痛になるのか、思いやっていただければと思います。

|
|

« 2010年中日版『牡丹亭』上海公演詳細(修正) | トップページ | 情熱大陸 菊五郎さん »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事