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2011年11月13日 (日)

松竹花形歌舞伎『瞼の母 お祭り』大阪岸和田公演

「平成23年度 松竹花形歌舞伎」

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岸和田市浪切ホール。立派なホールでした。

『瞼の母』

長谷川伸の作品は新歌舞伎の部類に入るのだろうなという感じの知識しかない状態で見たのですが、全体の物語の流れや、音楽の入り方など、やはりそんな感じでした。

個人的には、このいまいち盛り上がりに欠ける物語展開や、場面転換で待たされることが多かったのが気になりましたが、それを補って余りあるのが、それぞれの俳優さん達の演技でした。

特に、普段はあまりセリフを言わないような、ワキを固めておられる俳優さん達が、巡業だからか、半次郎の母と妹、三味線弾きのおばあさん、夜鷹のおばあさん等、重要な役をいろいろと担当されていて、その方々が皆さん、味のある演技をされていたのがとても印象深かったです。

主役陣が見せてくれるのは、やはり忠太郎がおはまに会いに行く場面です。忠太郎が何かいうたびに、おはま(秀太郎さん)の表情や身体の角度が変わっていって、おはまの心情の変化が細かく演じられていて、非常に見応えがありました。

笑也さんが獅童さんの妹を演じているのですが、全く違和感なし。また秀太郎さんと二人で引っ込む時、本当の母娘に見えて来ました。この“親子”が見れただけでもこの巡業を見に行ったかいがあったものです。今度は松竹座でもまた母娘をやってほしいな。

今回の巡業で、唯一の関西での公演で、もっと入っているかと思っていたのですが、平日だったからか、岸和田があまり交通の便が良くないからか(私も南海の岸和田駅には初めて行きました)、歌舞伎座が閉場してから、関西での歌舞伎公演が過剰気味になっているからか知りませんが、私が行った夜の部はあまりお客の入りはよくありませんでした。大向こうも変なかけ方をする人がいて、俳優さん達もイマイチ勝手が違ったかもしれません。大道具のアクシデントもあったようで、幕間の時に、裏方さんの作業を指示する声が客席まで聞こえるぐらいだったのですが、それらのいろんなことの影響が関係あるのかどうかわかりませんが、秀太郎さんのセリフが不明瞭な時が二度ほどありました。しかし、その後で、お登世がさらりとセリフを言って、おはまさんの言葉の不自然さが、こちらが聞き間違えたのか?と思わせるような、雰囲気にしてしまっていました。

獅童さんが全体的に目立たないようでいて、しっかり主役の存在感を出していました。獅童さんって、こういう自然な演技がうまい人なんですよね。もう少し盛り上がる話だったら良かったんですけど。

『お祭り』

『お祭り』はよく巡業でやりますね。巡業だけではなく、本興業でもよくかかりますが、俳優さんによっていろんな演出があるように思います。今回はなぜか真ん中に石橋があって、後半で獅子舞が出てきます。以前見たものにはなかったような…

獅童さんと笑也さんの組み合わせが、私は全く想像できなかったのですが、これが意外にとても合っているのです。どちらが目立つとかどちらが引くとかいうのではなく、お互いが互いに良さを引き立てているような感じで、とても映えていました。色っぽさや艶っぽさもきれいで、短い時間でしたが、もっと見てみたいと思いました。

宗之助さんは『瞼の母』の半次郎よりもこちらの女形の方が合っているように思いました。見た目の美しさで他を圧倒するというタイプではなく、じわじわと良さが出てくるという女形のタイプです。男女蔵さんは、敵役ばかりやっているからか、良い男の役の顔をやり慣れていないのではないかと、ちらりと思いました。もっと良い男をやった方がいいです。もったいないです。

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終演後、イルミネーションがきれいでした。

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