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2013年4月17日 (水)

5月末からの来日公演「京劇三国志 趙雲と関羽」主役以外のキャストが公開

楽戯舎のHPに、5月末からの国家京劇院来日公演「京劇三国志 趙雲と関羽」の主役以外の配役が公開されていました。

http://www.rakugi.net/play201305/contents.html

びっくりしたのは、二団の団長李海燕が、けっして出番が多くなく、ましてや彼女の流派程派の役ではないと思われる糜夫人をやることで、それ以上にびっくりしたのが、糜夫人がダブルキャストなんです! 

李海燕は実力のある良い女優さんなのですが、この数年舞台の調子がよくないことが多いと言われていて、一日2ステージの日本公演では厳しいからか、二団の若手の女優で国家京劇院が力を入れて売り出している郭霄(張建国さんの新編京劇「大漠蘇武」で建国さんの相手役の女性を演じた女優さん)とダブルキャストにしています。たった15ステージしかないのに、このダブルキャストを楽戯舎がよく受け入れたものだと逆に感心します。こんな日中関係の中で、団長自ら来日するという意義に重きを置いた判断なのでしょうね。劉錚さんなら1人で楽勝なのに。

この他は中堅格の黄炳強や魏積軍、国家京劇院の若手老生で唯一と言っていいほど他の劇団と対抗できる実力と梨園の血筋を持った李博もちょい役で来るようです。二団の劇団側が考えるベストメンバーといっていいと思います。

糜夫人は、激しい動作を伴う役なので、私個人の意見では、二団の青衣であれば、劉錚さんがされるのが一番いいと思いますが、実は現在、国家京劇院の中で、男旦は干されているらしく、3月から4月にかけて行われた若手中心の公演でも、劉錚さん主役の舞台はかかりませんでした。今年だけでなく、去年もそうだったので、本当にもったいないと思います。

先日北京電視台の番組で劉錚さんのお母様(もう引退されている京劇女優さん)がテレビを通じて、この状況を訴えておられました(そんなこと言って大丈夫かとひやひやしましたが)が、確かにこの数年、男旦というより、特に劉錚さんが干されている状況であることは、見て取れます。

それはともかく、李海燕は重苦しい歌い方をする程派で、糜夫人を演じる体力的にも不安を感じてしまいます。郭霄はもともと素顔が中国の真ん中にいる人よりも、周辺地域にいる人の顔立ちに近い(だから「大漠蘇武」で匈奴の女性の役に抜擢されたのでしょう)うえに、中国のファンの話では伝統劇を演じるとあきらかに経験不足を感じさせるのだそうです。

テレビなどの映像を見る限りでは、甘夫人を演じる張訳心の方が糜夫人にあっているのではないかと思いますが、彼女は脇役をたくさんやっている印象があり、今回も脇役が回ってきたのでしょう。

2006年の来日公演の時、三団の陳淑芳は、李海燕よりも年上ですが、60数ステージすべて一人で演じきりました。

二団の団長自らが来日すること自体は、この状況を考えると、国家京劇院の訪日公演に対する並々ならぬ決意を思わせるもので歓迎すべきなのですが、ダブルキャストにするなら、日本でダントツの知名度の劉錚さんにするべきでした。残念です。

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