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2013年6月13日 (木)

京劇三国志『趙雲と関羽』感想2

京劇三国志『趙雲と関羽』感想2 脇役を中心に

今回の来日公演は、趙永偉がもといた国家京劇院二団がベースとなっていて、趙永偉以外は二団の俳優で構成されています。わかりやすくいいますと、2009年の民音来日公演「京劇水滸伝」の来日メンバーが多く参加しています。

その中では曹操の魏積軍が良かったです。曹操も関羽と並んで難易度の高い役で、合わない人がやると見ていられなくなるのですが、魏積軍は違和感なかったです。魏積軍は国家京劇院の中でも、現在二団のトップ俳優なのですが、トップになりきれていない俳優の一人です。国家京劇院の現役の花臉の俳優には、突出した実力と人気を持った俳優がいないので、彼は実力よりも、回ってくる役に恵まれている印象がありますが、今回はどんどんと唱が良くなって来た感じがあります。これを機会にスター性を身につけて、大きく飛躍してほしいと思います。

劉備をやっていた黄炳強も、トップでありながらトップになりきれていない「1、5級」の俳優の一人です。ルックスは恵まれていると思うので、もったいないなぁといつも思います。今回は、悪くはなかったのですが、マイクを使っていないのではないかと思うぐらい、彼の時だけ声の大きさが不安定でした。他の人はマイクを使っている声だったので、彼だけが使っていないのはおかしいと思ったのですが、最終公演で疲れていたのかもしれません。

今回、琴師(京胡を弾く人)が、国家京劇院の現役世代ではトップの趙建華が来ていたようです。(「ようで」と書くのは、楽団が黒い小屋のようなもので覆われていて、全く見えなかったから。毎回思うのですが、中国での公演のように、楽団を見せてほしい。楽器に興味を持っている人も多く、また生で演奏していることがわかるので、その方がいいと思います)

魏積軍の唱がどんどん良くなっていったのも、趙建華の演奏によるところが大きかったのではないかと思います。特に目立ったところがない弾き方でしたが、堅実な弾き方だったのかもしれません。

夏侯恩などを演じる「丑」は、徐孟珂が来るかと思っていたのですが、彼より若手の金星が来ていました。趙雲を倒す絶好の機会、というところを「今でしょ!」と今年風に訳していたので、場内の爆笑を誘っていました。あそこはそれほど笑う場面ではないので、俳優さんは少しやりにくかったかもしれません。

訳文は全体にそれだけ読んでいて意味がわかるのかという程度だったのですが、あそこだけやたらとこなれていて、浮いていました。でも私はあれでもいいと思います。

劉大可が張郃をやっていました。彼の武芸はさすがで、彼だけ背中に旗をさしたまま横に一回転するのではなく、バク転する形で一回転していました。あそこで拍手して欲しかった……

来日公演には時間の制約があるから、全体的に少し省略されていて、馬丁の動きも省略されていました。靳智棋という若手の良い俳優さんがやっていたので、日本の観客も好きだろうし、通常版ぐらいにクルクル回って欲しかったです。

カーテンコールの時に客席で、国家京劇院の宋院長が記録用の写真を取っておられました。国家京劇院の院長というのはとても偉いポストだと聞いたことがありますが、宋院長は院長になってもご自分で雑用までいろいろとこなしておられるのだなと感心しました。

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