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2016年3月 2日 (水)

松竹座 スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』初日

スーパー歌舞伎Ⅱの第二作になる『ワンピース』が大阪松竹座と博多座で上演されます。3月1日の初日に行って来ました。

私は『ワンピース』の漫画は読んだことがありません。電車に乗っていて隣のサラリーマンが読んでいるのをちらっと見たことがある程度です。アニメもたまたまテレビのチャンネルを変えていたらやっていて、ちょっと見てみても何だかよくわからないからチャンネルを変えるという感じです。

こんな状態なので、ほぼ知らないといっても過言ではないと思います。

今日の舞台の感想は、一言でいうと「スーパー歌舞伎の定石に基づいて作られた舞台」というものです。もっと現代劇かと思ったら、しっかりとしたスーパー歌舞伎でした。

第1幕で、登場人物のキャラと物語を描き、第2幕で物語の発展と、踊りや宙乗りなどの仕掛けを派手に入れる、第3幕で、ぐっと芝居を入れて人物の感情を描いて、物語も終盤に向かうという感じです。私はすべてのスーパー歌舞伎を見たわけではありませんが、私がみたものはだいたいこんな感じで作られているものが、スーパー歌舞伎らしいと思った舞台でした。

そして、スーパー歌舞伎Ⅱも二作目になって、スーパー歌舞伎に戻ったのかという印象もあります。これも一つの「型」なので、戻ることは決して悪いことではありません。前回の『空ヲ刻ム者』がテレビドラマを舞台化したような作りの脚本に思えて、おもしろくないという印象を、私は個人的に持ったので、それに比べると、おもしろかったし、歌舞伎らしさ、スーパー歌舞伎らしさもありました。

ただ私は『ワンピース』を知らないので、その世界観をほとんど知りませんが、テレビを見た感じからすると、スーパー歌舞伎によせた部分と原作によせた部分とが混在するのではないかと思います。もちろんこれは当然のことではありますが。それがどうなっているのかがわからない私自身がもどかしい…

初日の客席は、春休みの3月ということもあって、歌舞伎ファンよりもワンピースファンが多かったように思えました。ファンとその保護者という組合わせも多かったように見えました。グッズ販売で長蛇の列ができていたのですが、私は職場に御菓子を、と並んでいたら、私の前に並んでいた、見た目中学生らしき子が大量にグッズを買い込んでいました。

こういう、それまで歌舞伎とは縁の無かった人達が、チケットを買って歌舞伎を見に来てくれるというのは、歌舞伎の未来にとって本当に良いことです。そして歓声を上げて見てくれる。これもスーパー歌舞伎も大きな目的の一つだと思いますので、それは見事に達成されています。

私の京劇ファンの友人で『ワンピース』も好きな北京在住の中国人が、新橋で『ワンピース』を見て、今度も有休を取ってまた『ワンピース』を見に来たいと計画を立てています。ビザが緩和されてから、中国人が日本に気軽に来られるようになったことは皆さんもご存じだと思いますが、歌舞伎を見るために何回も来日している人も何人もいるんです。もうそういう時代になって来ています。松竹も英語だけでなく中国語が出来るスタッフを各劇場に正社員で常駐させるべきです。

猿之助さんが三役です。私はやっぱり女形の猿之助さんが好きです。

市川右近さんと尾上右近くんが、おそらく初めての共演ではないでしょうか。お二人とも、とても存在感を発揮しています。右近くんの二役は両方ともとても良いです。サディちゃんがとてもかわいい。宙乗りもあります。右近さんは登場すると一気に歌舞伎色が出て、舞台がぐっと引き締まります。

巳之助くんも、ちょっと主役を食っていますね。素晴らしい。

歌舞伎の舞台にしては、私は初めて見るぐらいCGを使っていますが、それが原作の劇画的なイメージをうまく表していて、とても効果的で、素晴らしいと思いました。3階から見ていてもとてもわかりやすいものでした。照明も効果的でしたので、1階の前の方でみるよりも印象が変わるかも知れません。

舞台装置も、かなりスポンサーが入ったからか、お金をかけている感がありました。

主題歌は、AIの「ハピネス」みたいな感じの歌で、舞台の世界観をかなり鮮明に表しているのではないかと思いました。音楽ってとても重要ですね。「歌舞伎」ですから。

チケットは残り少ないようです。迷っておられる方はお早めに。戻りのチケットが手に入るといいですね。

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