演劇ニュース

2017年3月27日 (月)

松竹大歌舞伎北京公演 余話

舞台を見に行った複数の友人から聞いた話では、松竹大歌舞伎北京公演の初日は、撮影し放題だったようです。

2日目から、劇場係員によるレーザービーム攻撃が始まりました。

「レーザービーム攻撃」というのは私が勝手に名付けたもので、中国の劇場でよく見られるものです。カメラや携帯で写真を撮っていると、後ろやワキにいる劇場の係員が持っているペンライトでカメラに向かって赤いレーザーを当ててくるのです。昔は一眼レフカメラで写真を撮る人が多かったですね。最近は携帯で撮るのが主流になってきているようですが。

おそらく世界一お行儀の良い日本の観客からすると「なんて不届きな」と思うかも知れませんが、舞台写真を撮るのは舞台に興味があるからです。おもしろくないと思えば、携帯で別のことをし始めます。

こないだ松竹座の幕見席でも、隣に座っていた、見た目日本人でない人がしばらくしたらFacebookをチェックし始めましたから、中国だけのことではないんです。

中国の舞台だと、普通はマイクを使うので、パシパシ写真を撮っても、よほど静まりかえった場面でない限り、舞台進行の妨げにはなりません。

「レーザービーム」がイメージ出来ない方は下のMVを御覧下さい。撮影していると赤いビームがカメラに当てられます。(中国の劇場の人は手からビームを出しているわけではありませんが…)

北京公演の千穐楽を見に行った友達の話では、『鳥居前』で、芝翫さんが黒子さんに話をして、それから舞台の撮影と録画をしていた人に注意に行かせたらしいのです。

このことは孝太郎さんのブログにも書かれてありますが、少し書き方が異なります。

http://ameblo.jp/takataro-kataoka/entry-12259009425.html

日本語のわからない中国の観客が見ても、それとわかるような注意の仕方を舞台に出演されている最中に芝翫さんがされたというのが、ちょっと私には理解ができないんです。アドリブがきくような舞台ならともかく『鳥居前』ですよね? 芝翫さん主役でしたよね? それって逆にどうなのかな? 何を優先させるのか、優先順位が違う気がします。

中国の京劇俳優にも写真を撮られるのを嫌がる人はいますけど、私の大好きな張建国さんはカメラ目線をサービスして写真を撮らせます。それをネットで拡散してもらうことで京劇の魅力を中国全土、いや全世界に発信できることをご存じでそうされているのです。

中国では「歌舞伎」といえば、京都の「舞妓」さんや歌舞伎町のニューハーフという認識が主流だったのは、ほんの十年前のことです。十年前に、今の藤十郎さんの中国公演があり、その時は北京の他に上海等各地で公演があって、藤十郎さんが上海の演劇賞を受賞されてその授賞式に上海崑曲界の大御所と二人で書を書くパフォーマンスをされたあたりから、ちょっとづつ誤解が解けてきて、玉三郎さんの『牡丹亭』で歌舞伎に対する認識が大々的に変わり、その後ネットの威力によって歌舞伎の舞台が中国のネットの動画でも見られるようになって、その流れで数年前の菊之助さんの春興鏡獅子の公演があって、と本当に時代は大きく変わってきています。

でも、今回のたった三日間の公演では、まだまだ足りません。

私は、観客が撮った写真や動画をネットに拡散してもらった方が、大局的には、良かったのではないかと思っています。

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2017年3月19日 (日)

2017年3月18日 北京公演での『藤娘』の舞台写真(転載はご遠慮下さい)

2017年3月18日 北京公演での『藤娘』の舞台写真です。転載はご遠慮下さい。

北京にいる中国人の友人のそのまた友人が撮影した写真です。撮影者の許可を得て、ご紹介いたします。中国の劇場では一部の劇場を除いて舞台の撮影が許可されています。

Fujimusume_bj_2




京劇公演の場合だと、携帯にかかってきた電話に対して、ずっと客席でしゃべっている人もいて、他の観客から注意されたりしているのですが(観客同士でずっとしゃべっている人も珍しくありません)、18日の歌舞伎公演を見に行った友人の話では、携帯で電話するとかいうことはなかったようです。

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松竹大歌舞伎北京公演始まりました

松竹大歌舞伎北京公演は、17日にメディア向けに公開された稽古があり、18日から公演が始まりました。

客席には一部に関係者もいたでしょうが、数日で売り切れたチケット争奪戦に勝ち残ってチケットを手に入れて、中国全土からこの公演のために北京に集まった中国人の歌舞伎ファンでいっぱいになった模様です。

いまや中国の動画サイトで、日本で放送された歌舞伎の舞台や、ドキュメント番組の動画が見られる時代です(「二人門出桃太郎」のこと、ファンは知っていますよ) この際、著作権なんて野暮なことをいうのはやめましょう。日本のことをやれば、昔よりはましになりましたが、いまだに必ず「漢奸」(中国が旧日本軍と戦っていた頃に日本側に協力した中国人のこと)と言われて批判される中にあって、動画をアップした中国人のファンはボランティアで日本の伝統文化を啓蒙しているのです。感謝するべきです。

何人かの感想を聞きましたが、やはり『封印切』がおもしろかったという人が多いです。梅川忠兵衛の演技を評価する声に加えて、忠兵衛と八右衛門のやりとりがおもしろかったという人も多かったです。『鳥居前』は、京劇にも似た様式美をおもしろいと思うかわからないと思うかに分かれます。『藤娘』はたった一人しか出てこないので、それをさびしいと思う人もいるようですが、崑曲『牡丹亭』の「遊園」(玉三郎さんも演じられた演目です)を思い浮かべた人もかなりいた模様です。

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2017年3月15日 (水)

歌舞伎の北京公演のチケットは早々に完売しています

まもなく行われる歌舞伎の北京公演は、数年前にできた、外国のミュージカル等を上演することの多い劇場で行われます。数年前に行われた菊之助さんの歌舞伎と京劇の合同公演が大評判だったこともあって、北京だけでなく中国全土から歌舞伎を見ようとファンが押し寄せることが予想されます。私の友人も何人かこの公演のために北京に行きます。

また、なぜか大ホールではなく、中ホール(キャパ約1000人)で行われる上に、もともとのチケットの値段が安く設定されているうえに、北京の日本関係の団体に割引のチケットを販売していた模様で、販売が遅かった割に、チケットが早々に完売してしまいました。

万が一、日本から当日券狙いで弾丸で行こうという人がいたならば、北京に知り合いがいて、その方のつてでチケットが手に入るという人以外は行かない方がいいと思います。そもそも本格的な歌舞伎公演は十年ぶりとなります。中国人にみてもらってナンボのものです。

個人的なことですが、先週北京に行って来ました。ちょうど日本の国会に当たる「両会」開催に合わせて北京周辺の工場が休みになったので、風が強くてほこりっぽいのを除けば、連日とても良い天気でした。歌舞伎公演が行われる下旬はちょうど両会が終わる頃なので、空気はまだましではないかと思います。

ちなみに、前回北京に行った1年半前には北京では数件だった日本の某コンビニが各地下鉄の駅付近にたくさんあり、そこで日本のメーカーのマスクが普通に売られていました。

それから中国では、Twitter、Facebookにアメーバも、閲覧できませんでした。歌舞伎美人などは閲覧できたのですがねぇ。

Wi-Fiの環境が日本よりも整備されているので、タダで微信(wechat)のチャットで連絡を取り合うのは随分便利でした。それにしても限度があるので、私の日本の携帯が(SIMカードを入れ替えられなくて)中国では使えないというのは困りました。日本のSIMフリー携帯でも中国でカードが合わなくて使えないことがあるそうです。日本は本当に遅れています。

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2017年2月23日 (木)

ようやく歌舞伎の北京公演のチケットが発売が開始されました!

一ヶ月を切っているのに、なかなか発売されなかったチケットですが、ようやく劇場サイトで発売が開始されました!

天橋芸術センターの「日中国交正常化45周年 日本歌舞伎北京公演」のHP

http://www.tartscenter.com/item/1315.html

中国語では出ない「壱」という漢字があるので(中国語では領収書の字などに「壹」を使うことはあります)、歌舞伎俳優の漢字は中国簡体字ではなく、日本語の漢字をそのまま使っています。

中国の京劇ファンは前回の菊之助さんの公演以来になる人が多いので、チケットの発売を首を長くして待っていた人も多いです。チケットの値段が普通のお芝居の値段に設定されているところが、本当にうれしいです。しかも大ホールじゃなくて中ホールだし。

私は、知り合いの京劇ファンには壱太郎くんを一押ししておきました!

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2016年12月18日 (日)

来年2月に京都金剛能楽堂で、崑曲と能楽のイベント

京都の金剛能楽堂のHPに、来年2月18日に「日中古典演劇比較シンポジウム」なるイベントの情報が載っていました。

http://www.kongou-net.com/schedule/index17_12.html

「中国演劇と能楽(仕舞)との比較上演とシンポジウム」

崑曲「遊園」 

仕舞 数番

主催/京都府立大学文学部

とあります。数年前に行われたイベントの続きなのでしょうか。京都府立大学のHPには情報はまだ出ていませんでした。

誰が来るかが気になりますね。お能の方が仕舞ということは崑曲の方も洋服での上演になるのでしょうか。現段階ではこの情報しかないので、なんとも言えません。

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2016年12月13日 (火)

2017年国家京劇院来日公演特設サイトができました

民音のHPに、2017年春の中国国家京劇院来日公演の特設サイトができました。

http://china.min-on.or.jp/2017/

すべての公演先も公表されました。今回は北海道の札幌と旭川でも公演があります! (きっと于魁智と李勝素が北海道に行きたかったんでしょうね)

北海道での京劇公演は滅多にないと思いますので、ご都合がつけばぜひ御覧下さい!

「金銭豹」は孫悟空の話ですが、多分孫悟空よりも金銭豹の役者の方がメインです。孫悟空を見に行きたいという気持ちは捨てた方がいいです。今回の公演では孫悟空はあくまで前菜です。

『鎖麟囊』は、日本公演では滅多にかからない程派の演目で、梅派と全く違う、コロコロした歌い方が特徴です。時間的にはこれが一番長いはずです。戦乱とか洪水とかに巻き込まれて避難したり被災する場面が出てくるので、中国の観客なら笑う場面が日本人の涙腺を刺激するかも知れません。その辺りを国家京劇院側がどう処理するのかも注目したいです。

『太真外伝』は、歌舞伎でいうと『阿古屋』みたいな演目で、歌だけなら他の人も歌いますが、演目としてやるとなると話は別で、少なくとも国家京劇院の中では、この二人しかやれないと思います。これをダブルキャストにするのか、するとすれば誰がやるのか、私には全く想像がつきません。

公演会場によっては、チケット発売が12月16日のところがありますので、お早めにチェックして下さい。

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2016年12月 3日 (土)

2017年春に国家京劇院の来日公演!(内容更新)

来年2017年春に中国国家京劇院の来日公演があります。

(12月10日現在、新しい情報が出ていますので、前回の記事を大幅に書き替えました。)

民音による、国家京劇院の来日公演です。

民音トップページ

http://www.min-on.or.jp/

民音、初日の千葉県での公演情報

http://www.min-on.or.jp/play/detail_12304.html

現在、関東・関西・中国地方の公演のみアップされていますが、例年だと、東北や九州、中部にも行っているので、これらの地域は5月の公演になる可能性があります。

お近くの地域での公演がないかは、「公演案内」から「京劇」のキーワードで検索してみて下さい。

以下のHPにチラシが載っています。

神奈川県立ホール 中国国家京劇院

http://www.kanagawa-kenminhall.com/detail?id=34786

演目は『金銭豹』・『鎖麟囊(のう)』・『太真外伝』だそうです。

前回公演と同じ、一団の公演です。しかも于魁智と李勝素が、『太真外伝』をやるようです。『太真外伝』は玄宗と楊貴妃の話で、昆(崑)曲の『長生殿』の京劇版と言ってもいいと思います。梅葆玖が得意としていましたが、彼が亡くなった今、この演目をかけられる役者で、最適な人は李勝素しかいないといっても過言ではありません。李勝素の相手役は于魁智と決まっていますが、彼が引き立て役にまわる演目がかかることは滅多にありません。中国でも実際の舞台というよりは、テレビ番組で上演されたり、歌だけが歌われることの多い演目で、実際の舞台ではあまりかかりません。他の劇団はやっても国家京劇院の于魁智と李勝素が実際の舞台でやったことは、京劇は15年ぐらい見ていますが、私の記憶にはありません。この京劇ファン垂涎の演目が日本各地で見られる、まさしく鳥肌ものです。

ただし、民音の公演は当日会場に行かないと、誰が演じるかわからないシステムになっています。

若手と中堅がそれなりにバランス良く所属していて、実力の拮抗した俳優の多い、三団や二団に比べて、一団は于魁智と李勝素とそれ以外の俳優、女優の差の開きが著しく、前回の来日公演の私のようにチケットを2枚買っても2敗(いずれも李勝素でなかった)ということもあり得ます。

歌舞伎でたとえれば、玉三郎さんの舞台を見に行ったら、七之助さんや尾上右近さんだった、ならまだ許せます! でも前回は、玉三郎さんの舞台だと思ったら、名題にあがったばかりの名前も知らない俳優さんだった、というケースでした。中国でこれをやるとチケットの値段は同じですから暴動が起こるケースですよ。

民音さん、とんでもなく素晴らしい企画を実現してくださることには、本当に心から敬服していますし、私なりに微力ながら周りに宣伝もしています。ですから、お願いだから、チケットを売り出すときにA組、B組などと配役表をHPに掲載してほしいです。

でももうチケットは発売間近なので、今回も複数枚購入して運試しというパターンになりそうです。社会人には日程的に苦しいです。

中国のネットでの動画をご紹介します。宣伝なども一緒に出て来ますので、ウィルス対策をきちんとしたうえで御覧下さい。

国家京劇院・于魁智と李勝素(女優)『太真外伝』(2013年新年晩会 5分バージョン)

http://v.youku.com/v_show/id_XNDk2Njk0NTQ0.html?f=19469366

北京京劇院・胡文閣(女形)『太真外伝』(空中劇院中継 30分バージョン)

http://tv.cntv.cn/video/C10301/87bc78eddfb94824a67cb5b0a6482545

これ以外では特に、中国では非常に人気の高い演目『鎖麟囊』がかかるのが注目されます。『鎖麟囊』は三団の女優にうまい人がいるのですが、一団ではまあまあかなと思います。通常三時間ぐらいかかりますが、一時間弱にまとめるのでしょう。

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2016年10月28日 (金)

市川春猿さんも新派へ! しかも改名!?

やっぱり春猿さんも新派に行ってしまいます。

喜多村緑郎さん(前の月之助さん)より、春猿さんの方が新派っぽかったから、なんとなくそうなるのでは、と思ってはいましたが。

たしか初代春猿は新派の俳優さんだったと聞いたことがあります。春猿の名前は残して欲しかったなぁ。

そして二人とも新派に行くのなら、緑郎さんとダブル襲名にすれば良かったのに。

それはともかく、おもだか屋も四代目になって、せっかく三代目が育てた俳優達ですら、活躍の場を見いだせなくなって来ました。

三代目が血縁主義と決別して育てた二十一世紀歌舞伎組が、この数年で解体していくのを見るのはとても悲しいですが、歌舞伎界が血縁重視の姿勢を変えない現状では、実力のある俳優が活躍の場を求めるのは当然のことです。

皆さん、俳優をやめるわけではありませんので、新水滸伝とかの再演でまた再結集してもらえたら、うれしいなぁと思います。新派もやはり新作でヒット作に恵まれることを祈りたいと思います。

ちなみに、喜多村緑郎襲名披露公演は仕事が超多忙な時期と重なり、結局行けませんでした… 悲しい…

歌舞伎:人気女形、市川春猿さんが劇団新派に入団へ

https://news.nifty.com/article/domestic/society/12159-1028m040032/

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2016年9月16日 (金)

住太夫師出演 上方文化講座2016 特別編 人間国宝が語る人生論「苦労のすすめ」

以下、大阪市大のHPからの引用です。詳しくはHPを御覧下さい。

http://www.osaka-cu.ac.jp/ja/event/2016/161019

上方文化講座2016 特別編 人間国宝が語る人生論「苦労のすすめ」

 平成28年10月19日(水)、杉本キャンパス 田中記念館ホールにおいて、上方文化講座2016 特別編「人間国宝 竹本住太夫 × 大阪市立大学長 荒川哲男 人間国宝が語る人生論“苦労のすすめ”」を開催します。

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